さそ

文章を書くのが好きな女と30代の女がただただ書き連ねる練習広場

愛している 嘘 いらない

会社の忘年会だった。しこたま食べたあとにビールをしこたま飲んだので致死量に至らなかった気がする。

ビンゴ大会でおせんべい詰め合わせセットが当たったけど代表賞の商品券5万円が一番欲しかった。もっと言ったら参加賞のQUOカード500円カードが欲しかった。

仲良しの同僚や上司とたくさん写真を撮った。加工アプリのおかげかめちゃめちゃ写りがよく、上司には「完全に親子だわ」と言われ(そりゃそうだろ)と思いながらその写真をLINEで送ったりした。

 

夏に仲良しだった男の子にyonigeが好きだと伝えたら「とけた、夏。って曲がすごくいいよ」と言われ聴いたらエモーショナル応募者全員プレゼント! みたいな曲で件名の歌詞を歌っていた。

婚約者に「あなたのことは全く好きじゃない。あなたが私のことをめちゃめちゃ好きだから結婚するんだ」と再三伝えている。

その度「しってるよ」「別にそれでもいい」「絶対幸せにするね」などと言う。

正直信じられない。自分の事を本気で好きじゃない女を幸せにしようなんて普通思えない。それを「この結婚に見返りは求めてないから」という婚約者。頭がおかしいのかと思う。

でも私はこの人と結婚する。好き具合で言ったら夏に仲良かった男の子のが好きだ。私は平然とそれを婚約者に伝える。婚約者は「婚約指輪届いたから早く渡したいな~」と答える。

最近は婚約者と仕事場の人と母としか交流していない。少ない交流関係の中で生活していて「この少ない人間関係でいいや」と思うようになった。

婚約者は絶対私を裏切らない。だから結婚するのだ。異性として好きじゃなくても人としては好きだ。そもそも好きな異性として誰ひとり成立しなかった私には、異性として好きとかそういうレベルで相手を選んではいけないのだ。

 

 

婚約指輪はヴィヴィアンウエストウッドのベルトリングで普通に欲しい指輪を彼に伝えた。結婚指輪ももうこれでいいのでお揃いでつけよう。と言ったら「僕に似合うかなー?」と言っていて知らねぇよと思ったが「シルバーだし服黒多いし似合うと思うよ」と当たり障りないことを言った。指輪なんて値段もブランドもなんでもいい。ただ、ずっとつけるということを考えて気に入った指輪をつけたいと思った。

 

これでいいのかと何度も彼に聞くが「君の気が変わらないならいい」と言う。難儀な男だ。

 

 

次会えるのを楽しみにしている。婚約指輪がもらえるからだ。彼に会えるからではない。本当に本当に。

今でも夏に仲良かった男の子のことを思う。できるだけ不幸になっててほしいなと。

 

 

BGM:yonige/とけた、夏。